・どうして赤ちゃんにも鉄分が必要なの?
・完ミと完母で貧血のなりやすさに違いはあるの?
・赤ちゃんが鉄を摂取する方法は?
Contents
赤ちゃんの貧血(鉄不足)について
鉄が不足し、赤血球が十分に作られない状態になり貧血を起こすことを「鉄欠乏性貧血」と言います。
鉄不足(鉄欠乏性貧血)の症状
赤ちゃんが貧血になっているかどうかの、見分け方の一例を紹介します。
・母乳を吸う力が弱い。
・顔色が悪い(白っぽい)。
・普段は赤くなっている下まぶたの裏側が白っぽい。
・爪が白っぽい。
・疲れやすく、すぐに息があがる。
そのほか、ひどくなると味覚がおかしくなり、舌炎、口角炎を起こしたりします。
鉄不足(鉄欠乏性貧血)の影響
鉄が不足した状態になると、下記のような影響が見られると言われています。
・注意力持続時間の低下
・周囲への無関心
・認知能力の低下
・言語学習能力や記銘力の低下
・落ち着きがない
認知能力、運動発達、社会性や情緒発達に影響を与える可能性があると言われています。
鉄不足(鉄欠乏性貧血)になる主な原因
①お母さんからもらった鉄分が少ないとき。
生後6ヶ月頃になると、お母さんのお腹の中で蓄えた母体由来の鉄(貯蔵鉄)がほぼなくなり、鉄不足になる可能性があります。
②低出生体重児
低出生体重児は、1年間で出生時の5〜8倍もの体重になることもあって、多くの赤血球を作る必要があります。普通の赤ちゃんより貧血のリスクが高まります。
完ミと完母の違いによる貧血のなりやすさ
生後6ヶ月頃にはまだ、どの赤ちゃんも母乳かミルクを飲んでいると思います。では、母乳とミルクでは貧血のなりやすさに違いはあるのでしょうか。
特に、完母や完ミなど、どちらかに偏っている場合は気になるところですよね。参考になる記述を見つけたのでご紹介します。
1. 母乳と粉ミルクによる鉄含有量の違い
母乳と粉ミルク、牛乳の鉄含有量は以下の通りです。
母乳…1~1.5㎎/ℓ
粉ミルク…6.5~9㎎/ℓ
牛乳…0.5㎎/ℓ
一見すると、粉ミルクの方が母乳よりも鉄含有量が多いです。
しかし母乳に含まれている鉄は、その49%が吸収され利用されるのに対し、粉ミルクの鉄は10%しか体内に吸収、利用されません。
母乳は少ない鉄を無駄なく利用しているため、「母乳栄養だから貧血になりやすい」とは一概には言えません。(参考:秋山こどもクリニック)
2. 【9〜10ヶ月児】の貧血の頻度
しかし、日本の平均的な例として沖縄県の調査によると、
貧血の頻度は4~5か月児では栄養法によって差はみられないものの、9〜10ヶ月児では貧血の頻度に差があることがわかりました。
【9~10か月児】貧血の頻度
母乳栄養児 33%(最も高い!)
混合栄養児 10%
人工栄養児 18%
特に、母乳分泌が少なくなっても、乳児が人工乳を嫌がったために、1歳前後まで母乳を中心とした食事内容で育てられたケースに多いそうです。(参考:エバラこどもクリニック)
赤ちゃんの鉄不足(鉄欠乏性貧血)を防ぐには?
前項で示した通り、栄養法の違いによって貧血になりやすいのかどうかは、様々な見解があります。
完ミでも、完母でも、混合でも、いずれにせよ離乳食を始めたら鉄を多く含む食品を摂取するように意識することが大切といえます。
鉄が豊富な離乳食オススメ食材
離乳食の時期ごとに食べられる、鉄がたっぷり含まれた主な食品をご紹介します。
離乳食初期(5〜6ヶ月頃) …小松菜・しらす干し・きな粉など
離乳食中期(7〜8ヶ月頃) …のり・レバー・納豆など
離乳食後期(9〜11ヶ月頃) …牛赤身肉・ひじきなど
離乳食完了期(1歳〜1歳6ヶ月頃) …シジミなど
特にレバーなどは、手作りで準備するのが面倒なので、ベビーフードを活用すると良いでしょう。レバーや牛肉などは、生後7ヶ月以降のベビーフードで多くの種類がありますよ!
鉄摂取にオススメのベビーフード
私が実際に使ってオススメのベビーフードをご紹介します!
鶏・レバー・鯛の3種パック(和光堂)
レバーやお肉を開始するならまずはこのベビーフードがオススメ。粉状で、お湯を加えると粘りが出てすぐに食べさせられることができます。手作りのお粥に加えるだけでも栄養満点!
有機まるごとベビーフード 小松菜とニンジンのお粥 100g (味千汐路)
小松菜が豊富なこちらのベビーフードもオススメです。少しお値段がお高めな理由は、野菜は有機野菜のみ使用しており、化学調味料などが無添加だから。100g入っているので、お出かけの時にはこれをひと瓶持って出かけるだけで1食分になります。
有機まるごとベビーフード 6種類12食セット(味千汐路)
有機まるごとベビーフードは、6種類12食セットもあるので、出産祝いにもオススメです!自分じゃ買わないようなリッチな物で、消費できる物なのでもらっても困りません。
赤ちゃんの貧血予防には、ベビーフードなどもうまく活用しながら鉄を摂取しましょう!
・生後6ヶ月頃になると、母体由来の鉄がほぼなくなる。
・鉄が不足すると、認知能力や運動発達、社会性などに影響があると言われている。
・完母の方が貧血の頻度が高いというデータもあるが、それだけで完母が貧血になりやすいとはいえない。
・鉄不足を防ぐために、離乳食で鉄を摂取する。
・レバーなどはベビーフードをうまく活用する。