・完ミのメリット、デメリットを知りたい。
・完ミにしようか悩んでいるけど決めきれない…
・完ミに移行予定。メリット・デメリットを理解しておきたい。
完ミのメリット
完ミとは、「完全ミルク育児」のことで、母乳をあげずに、ミルクのみで育てる方法のことを言います。
まずは、「完ミのメリット」をご紹介します!
各項目のコメントに私の経験談と、Twitter(@kanmi_ikuji )でヒアリングした声も参考にしてください^^
1. 授乳量が明確にわかる
母乳の場合は、どのくらい飲んだのかが目に見えないので、授乳量が知りたい場合は授乳の前後に体重を計らないといけません。この作業がストレスになる人もいるようです。
ミルクの場合は、作った量から飲んだ量を引けば、どのくらい飲んだのかが明確にわかります。
また、飲んだ量がわかるので、いつもより飲まない時は体調を崩している可能性を考えることもできます。病院に行くかどうかの1つの参考要素にもなります。
2. おっぱいトラブルが無い
母乳をあげていると必ず向き合わなければならない、おっぱいトラブル。
乳首が硬いまま度々赤ちゃんに吸われていると乳首が切れてしまうこともあります。
また、母乳が分泌されている授乳期間は、母乳を出さなければどんどん張ってカチカチになってしまいます。これがかなり痛く、日常的なことなのでとても大変です。
このように母乳や乳管が詰まることにより、感染症を引き起こすこともあります。これを乳腺炎と言います。乳腺炎になると、おっぱいがひどく腫れ、熱や悪寒など体調不良になります。
完ミであれば、おっぱいの心配はありません。
3. 夜よく眠る
母乳の場合は腹持ちが良くないので、赤ちゃんはすぐに空腹になり泣いてオッパイを要求します。母乳は頻回授乳しなければなりません。
母乳よりもミルクの方が腹持ちが良いので、個人差はありますが、ミルク育児の場合は夜間長く眠るようになると言われています。
4. お母さんが薬を飲める
お母さんが倒れてしまうと、赤ちゃんのお世話が大変です。母乳をあげている場合は、薬の成分が赤ちゃんに影響する可能性があるので基本的には薬を飲むことができません。
しかし完ミの場合は体調不良になった時すぐに薬を飲むことができます。
もともと持病の薬を飲んでいる人は、完ミであれば薬を飲み続けることができます。
5. 食べ物や飲み物など特に制限なし
母乳をあげていると、自分も栄養バランスの良い食事を気にかけなきゃと意識しますが、完ミの場合は、お母さんが食べたものや飲んだものが赤ちゃんに影響しません。
お酒はもちろん、カフェインを控える必要もありません。
好きなものを食べられるのは、忙しい育児の中でとても嬉しいことですよね。
6. 授乳を代わってもらうことができる
ミルクは誰にでも代わってもらえることがメリットです。
育児はたくさんやることがあるので、ミルクだけでも夫や周囲の人に代わってもらえると負担も少しは軽くなります。
また、夫や両親、義両親などはミルクをあげられるのを喜んでくれる人もいます。
お母さん以外が授乳でコミュニケーションをとることができるのは嬉しいですね。
7. 人に預けやすい
母乳の場合は人に預けても短い時間で帰らなければならなかったり、母乳が溜まると胸がパンパンに張ってしまうので、外出先のトイレで搾乳をしたりする必要があります。
完ミの場合は長時間離れることもできるので、買い物や友人と会ってリフレッシュしたり、家でゆっくり寝たり休むことができます。忙しい育児の中で、体力を回復する時間は大切です。
もちろん、すぐに働きたい人は保育園にもすぐ預けられます。
8. 外出先でも授乳しやすい
母乳の場合は、公共の授乳室を利用したり、どうしても人目につく場所であげるしかないのなら授乳ケープなどをして周囲に配慮する必要があります。
ミルクは、母乳をあげる人に比べたら場所を選ばずにあげられます。もちろんそれでもミルクをあげる場所に配慮は必要ですが(人混みを避けるなど)、ショッピングモールならトイレの手前のベンチであげたり、フードコートの座席であげていても母乳ほど不快に思う人は少ないでしょう。
9. 好きな服が着られる
母乳をあげていると、授乳しやすい服を選ばざるを得ません。
胸のところが開くようになっている授乳に適した服もあります。裾からめくりあげなければならないようなワンピースは授乳しづらいので避ける必要があります。
完ミはおっぱいを出すことはないので、いつでも好きな服が着られます。
10. 母乳外来に通わなくていい
母乳をあげている場合、おっぱいトラブルや母乳の出を良くするために母乳外来へ通うと、お金がかかります。
費用は施設により異なりますが、初診で5,000~7,000円程度、再診で3,000~5,000円かかります。母乳の出をよくするためのおっぱいマッサージなどは自由診療となり全額自己負担です。
完ミの場合はおっぱいの心配は不要なので、病院や母乳外来に通う必要はありません。
11. 飲んでいる時間が短く済む
母乳の場合、赤ちゃんによっては長いと30分以上かかるということもあります。それだけお母さんの時間も拘束されるという事になります。
一方、ミルクの場合は目安量を飲み終わるまで1回10〜15分程度です。さっとミルクを飲ませたい外出前などは時間を管理しやすいです。
12. いつでも安定した品質で飲ませられる
母乳は血液から作られています。お母さんが口にした栄養分が赤ちゃんの栄養分になると言っても過言ではありません。なので母乳の栄養分は毎日安定しているとは言えません。
一方ミルクは、栄養バランス良く作られています。毎日安定した栄養分を赤ちゃんに与えることができます。
また粉ミルクには、母乳にはあまり含まれていないビタミンDが含まれています。ビタミンDが不足すると起こる可能性がある、骨の変形や成長不全の「くる病」の心配が軽減すると言われています。
13. 卒乳、断乳がスムーズ
哺乳瓶で飲むことに慣れていると、完母の赤ちゃんに比べてマグやコップへの転換もスムーズです。
完ミの赤ちゃんは低月齢の頃に「泣いたらオッパイ」が使えないことで苦戦することもありますが、逆に言えばオッパイに執着がないのがメリットです。離乳食が始まって、3食しっかり食べていれば、自然に卒乳できるでしょう。
14. とにかくストレスフリー!
完ミにして良かった事を尋ねると多くの人が「ストレスがなくなった」「ストレスフリーになったことが一番のメリット」と答えます。
それぞれ抱えていた悩みが、完ミに移行したことで解決されたのでしょう。
赤ちゃんを育てていく上でお母さんがストレスを抱えてしまっては、赤ちゃんにも良くないですよね。
完ミのデメリット
完ミの全てを知って頂くために、もちろんデメリットも紹介しますね!
1. ミルク代がかかる
完ミの場合はミルク代が必要です。
1ヶ月のミルク代は、粉ミルクの種類によって異なりますが、飲む量が少ない新生児期は大体5,000円くらい、その後飲む量が増えると13,000円程度です。(飲む量は赤ちゃんによっても異なりますのであくまでも目安)
2. ミルクをあげるのに手間と時間がかかる
母乳の場合は、バッと胸を出せばすぐに母乳をあげられます。
しかしミルクは「お湯を沸かす→粉ミルクを溶かす→冷ます」と、手間と時間がかかります。赤ちゃんが泣くのを横目にこの作業をするのが心苦しく思う人は多いのではないでしょうか。
もちろん、ミルクをあげた後は哺乳瓶を洗う必要もありますね。これらの作業が面倒になります。
3. 外出・旅行の荷物が増える
母乳の場合はオッパイがあれば良いですが、完ミの場合は哺乳瓶、お湯や湯冷ましなどを持って行くとなるとやはり荷物は増えます。
ただし、液体ミルクを使えば、お湯や湯冷ましを持ち歩く必要がないので、荷物も減りますよ。
4. 泣いたらおっぱい、ができない。
母乳の場合はちょっとグズった時にオッパイをあげれば泣き止む「泣いたらオッパイ」が使えますが、完ミの場合はできません。
なんで泣いているのか原因を探したり、それでも理由がわからなくて泣きっぱなしにさせるしかなかったりと、完ミの一番の悩みどころと言ってもいいでしょう。
ただ、完母の人は卒乳が大変とよく聞きますが、完ミの場合はオッパイへの依存が無いので、卒乳はスムーズにいく可能性が高いです。
5. 免疫がつきにくい?
産後2~3日くらいまでに出る黄色の「初乳」と呼ばれる母乳の中には、赤ちゃんにとって大切な免疫が多く含まれていると言われていて、赤ちゃんは母乳を通して免疫をもらいます。そのため、母乳を飲まない完全ミルク育児では、免疫がつきにくいといわれています。
しかし、一度も母乳をあげずに完ミで育てた赤ちゃんがその後必ず病気にかかるかというとそのような事はなく、むしろ「完ミで育ったけど大きな病気せず健康な大人になりました!」という声を多く聞きます。
母乳であろうがミルクであろうが特に赤ちゃんの頃は免疫が低いので、湿疹が出たり、病気にかかることはむしろ当然で、仕方のないことです。(完ミだから予防できなかった…と考えるのはやめましょうね。関係ありません。)
さいごに
完ミのメリット、デメリットをご紹介しましたが、結局は「完ミで育てていることに対して前向きでいること」が大切だと思います。
前向きでいれば、デメリットもそう悪く思えません。
お母さん自身がメリットとデメリットを理解して、お母さんと赤ちゃんに合った授乳方法を選択してください!